20代女性「矯正後のスペースがある箇所に歯を入れたい」他院で矯正を行った患者様を引継ぎ、マウスピース型矯正装置「インビザラインコンプリヘンシブパッケージ」とインプラント治療で健康的な歯並びにした症例
2023.10
治療前
治療後
年齢と性別 | 20代 女性 |
---|---|
ご相談内容 | 他院にて、取り外し式のマウスピース型矯正装置「インビザライン」での歯列矯正を4年前から行っていた患者様より、「下の左右のスペースがある箇所にインプラントをしたい。海外留学の予定があるため、限られた期間内で治療してほしい」とご相談いただきました。 |
カウンセリング・診断結果 | 患者様は中学生の頃に他院にて矯正治療を受けており、歯を動かすスペースを確保するために上下左右の4番目の歯(第1小臼歯/4番)を抜く「便宜抜歯(べんぎばっし)」をご経験されていました。 その後、歯がでこぼこに生えている「叢生(そうせい)」を改善するため、4年前から海外で再び歯列矯正を始めたとお話いただきました。 上下の歯並びを適切なバランスにするため、下あごの抜歯部位は人工歯根である「インプラント」を埋入して歯を補うことをすでにご選択されていて、そのためのスペースを作りながら歯並びを整えていました。 当院にてCT撮影をしたところ、インプラントの根の部分である「フィクスチャー」の中でも非常に細いタイプの「直径3.75㎜」を埋入できるだけのスペースが、隣の歯との間にないことが判明しました。 そこで、再度矯正治療をやり直して十分なスペースを作ってから、インプラント埋入を行う治療計画を立てました。 |
行ったご提案・治療内容 | 奥歯も含めた全ての歯をしっかりと動かすことができるマウスピース型矯正装置「インビザラインコンプリヘンシブパッケージ」で、上下の歯並びをきれいなU字型の「アーチホーム」に保ちながら、インプラントを埋入するためのスペースを確保する治療をご提案し、同意いただきました。 まずは患者様専用のマウスピースを作製し、インプラントを埋入する部位において再度矯正治療をやり直してスペースを確保しました。 その後、あごの骨にインプラントを埋入し、傷の治りを待ってから被せ物を装着しました。 矯正終了後は元の噛み合わせに戻る「後戻り」を防止するため、歯の維持装置である「リテーナー」を必ず装着していただくとともに、後戻りや噛み合わせによる歯のすり減りが起こらないよう定期的なメンテナンスが大切であることをご説明しました。 海外にご留学されている間も、一時帰国の際にはメンテナンスのために必ずご来院いただくことをお約束いただきました。 また、リテーナーも永久的なものではないので、定期的に新しく作製する必要があることをお話しし、ご了承いただきました。 |
治療期間 | 3年5ヶ月・6回(チェック回数) |
おおよその費用 | 126,500円(税込)(再スキャン代、リテーナー代含む) |
術後の経過・現在の様子 | 見た目も美しく、全ての歯でしっかりと噛める健康的な歯並びになりました。 患者様にも「自然な口元になって嬉しい。インプラントも自分の歯のように噛める」と大変ご満足いただきました。 現在もしっかりとリテーナーを装着していただき、歯並びの後戻りもなく、定期的なクリーニングでご通院いただいています。 矯正治療は、治療後の長期のモニタリングが最も重要です。再治療の費用がかからないよう、わたしたちも細心の注意を払っています。 |
治療のリスクについて | ・最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間で慣れてきます。 ・歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。 ・装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者様の協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。 ・1回の口腔内スキャンでのマウスピース矯正治療終了はまれであり、ほとんどのケースで2〜3回の再スキャンによるマウスピース再製作・再治療を行い、理想的な歯列及び噛み合わせへと導きます。 ・ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。 ・マウスピースを装着したままの飲食はマウスピースの着色や破損、虫歯や歯肉炎、歯周病のリスクが高まります。 |
クリニックより | 定期的なクリーニングでご通院いただいているので、担当衛生士や歯科医師が患者様の歯周病や虫歯のリスクを把握しており、健康な口腔内を維持しながらマウスピース矯正を進めることが可能です。 当院で矯正治療を行う場合、すでに口腔内にある形態不良・不適合な詰め物、被せ物のやり直しも含めた総合的な「一口腔単位」での治療を行うことができるというメリットがあります。 左右の歯の幅が異なると、対称性のあるきれいな噛み合わせにすることが難しくなります。詰め物や被せ物の形を調整することで、良好な噛み合わせを作っていくことが可能になります。 このような包括的な治療は、矯正専門歯科医院ではなかなか難しく、当院だからこそご提供が可能だと考えております。 |