30代男性「ガタガタの歯並びと噛み合わせを治したい」マウスピース型矯正装置「インビザラインコンプリヘンシブパッケージ」で治療後、注意深く経過観察し後戻りを阻止している症例
2023.10
治療前
治療後
年齢と性別 | 30代 男性 |
---|---|
ご相談内容 | 「他院で矯正治療の必要はないと言われたが、自分自身は歯並びが気になっており改善したい」とのことで、当院にて矯正相談を受けられました。 |
カウンセリング・診断結果 | 拝見したところ、上下の前歯のねじれやガタつきがみられ、下あごがやや前方に出ている噛み合わせでした。 本来であれば適切なあごの動きを誘導するはずの上下の糸切り歯(犬歯/3番)も上手く接触しておらず、噛み合わせも悪くなっていました。 また、右下には内側に倒れている歯があり、歯ブラシが当てにくく日頃から清掃不良になりやすい歯並びでした。 右の上下には、噛み合わせに関与していない親知らず(第3大臼歯/8番)も認められました。 |
行ったご提案・治療内容 | 上下前歯の歯並びをきれいなU字型の「アーチホーム」にするため、マウスピース型矯正装置「インビザラインコンプリヘンシブパッケージ」での治療をご提案し、同意いただきました。 右の上下の親知らずと右下の内側に倒れていた歯に関しては、矯正治療でスムーズに歯が動くようにするためと、歯ぐきやあごの骨など歯を支える組織を健全に保つために「便宜抜歯(べんぎばっし)」を行いました。 治療の際は、上下の歯にゴムをかける「顎間ゴム」も併用し、歯並びと噛み合わせをしっかりと整えていきました。 矯正治療終了後は、元の噛み合わせに戻る「後戻り」を防止するため、歯並びの維持装置「リテーナー」を必ず装着していただくようご指導しました。 また、下あごが前に出た状態に戻りやすいため、リテーナーになった後も顎間ゴムを引き続き使用していただくよう併せてお伝えしました。 後戻りが起こらないようにメンテナンスで経過を見ることの重要性や、リテーナーも永久的なものではないため定期的に新しく作製する必要があることをしっかりとご説明し、継続してご通院いただきました。 |
治療期間 | 1年9ヶ月・ 19回(チェック回数) |
おおよその費用 | 1,023,000円(税込)(再スキャン代、リテーナー代含む) |
術後の経過・現在の様子 | 見た目が美しくなるとともに適切な位置で噛めるようになり、患者様にも大変ご満足いただきました。 「右下の歯も清掃しやすくなった」とおっしゃられ、セルフケアの技術も向上されました。 現在もしっかりとリテーナーを装着していただき、歯並びが後戻りすることもなく、定期的なクリーニングでご通院いただいています。 矯正治療は、治療後の長期のモニタリングが最も重要です。再治療の費用がかからないよう、わたしたちも細心の注意を払っています。 |
治療のリスクについて | ・最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間で慣れてきます。 ・歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。 ・装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者様の協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。 ・1回の口腔内スキャンでのマウスピース矯正治療終了はまれであり、ほとんどのケースで2〜3回の再スキャンによるマウスピース再製作・再治療を行い、理想的な歯列及び噛み合わせへと導きます。 ・ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。 ・マウスピースを装着したままの飲食はマウスピースの着色や破損、虫歯や歯肉炎、歯周病のリスクが高まります。 |
クリニックより | 今回の患者様は定期的なクリーニングでご通院いただいており、担当衛生士や歯科医師が患者様の歯周病や虫歯のリスクを把握しています。 そのため、健康な口腔内を維持しながらマウスピース矯正を進めることができました。 当院で矯正治療を行う場合、すでに口腔内にある形態不良・不適合な詰め物、被せ物のやり直しも含めた総合的な「一口腔単位」での治療を行うことができるというメリットがあります。 左右の歯の幅が異なると、対称性のあるきれいな噛み合わせにすることが難しくなります。詰め物や被せ物の形を調整することで、良好な噛み合わせを作っていくことが可能になります。 このような包括的な治療は、矯正専門歯科医院ではなかなか難しく、当院だからこそご提供が可能だと考えております。 |