50代女性 ガタつきと上の前歯を突き上げる歯並びをマウスピース型矯正装置「インビザラインコンプリヘンシブパッケージ」で改善した症例

2024.02

年齢と性別	50代　女性
ご相談内容	「歯を守るために矯正がしたい。歯磨きしやすい歯並びにしたい」とご相談いただきました。
カウンセリング・診断結果	拝見したところ、上下左右の前歯12本（中切歯／1番、側切歯／2番、犬歯／3番）が前後に重なり合ってガタついている「叢生（そうせい）」があり、歯の軸がねじれている「捻転（ねんてん）」も見られました。 また、咬み合せも悪く、下の前歯が上の前歯を強く突き上げている状態でした。そのため上の前歯（犬歯）に亀裂が入っており、今の歯並びを放置し続けた場合、歯が割れて抜歯になる可能性があります。 咬み合わせが悪い歯並びを放置すると健康的な歯に過度の力が加わり、将来的に抜歯の原因となってしまう恐れがあるため、長期的に歯の健康を保つためにも、矯正治療により全体的に負荷を分散させバランスの良い歯並びに治す必要があると診断しました。
行ったご提案・治療内容	歯並びを改善する方法として、「インビザラインコンプリヘンシブパッケージ」をご提案しました。 インビザラインコンプリヘンシブパッケージは透明で目立ちにくいマウスピース型の矯正装置です。この方法であれば、上下の歯並びをきれいなU字型の「アーチホーム」にできることを説明し、同意いただきました。 矯正治療により、前歯のガタつきが改善し、上の歯1本に対して下の歯2本が咬み合う「1歯対2歯」を実現させました。 また、内側に倒れている下左右の奥歯2本（第2大臼歯／7番）を起こし、前歯を根っこの方向に沈めるように移動させる「圧下」をすることで下の前歯が突き上げることがなくなり、機能的・審美的な問題も解決しました。 矯正治療終了後は、元の咬み合わせに戻る「後戻り」を防止する必要があります。 そのため歯の位置を維持させるための装置「リテーナー」を必ず装着していただき、後戻りと歯のすり減りがないように定期的なメンテナンスの重要性をお伝えしました。 また、リテーナーは最低10年は装着する必要があり、歯並びの維持や管理費として治療後も年間6万円かかること、可能な限り生涯を通じて就寝時にリテーナーをご使用いただくことで良好な歯並びが維持できることを丁寧に説明し、ご了承いただいております。
治療期間	4年2ヶ月・39回（チェック回数）
おおよその費用	1,089,000円（税込）（再スキャン代、リテーナー代含む）
術後の経過・現在の様子	矯正終了後、患者様からは「見た目だけでなく、咬み合わせも良くなり歯磨きがしやすくなった」と大変ご満足いただきました。 現在もしっかりとリテーナーを装着いただいており、3ヶ月に1度のクリーニング時に歯並びや咬み合わせに問題がないかチェックを続けています。 矯正治療は治療後の長期間の経過観察が最も重要です。経過観察中に下の前歯が上の前歯を突き上げて歯と歯の接触が広がってしまうケースが多々あり、それを予防するためにもリテーナーの装着は必須といえます。 再矯正による費用がかからないよう、当院でも細心の注意を払っています。 虫歯がない「カリエスフリー」ときれいな歯並びを獲得し、より良い人生を送っていただくことが当院の提供価値だと考えております。
治療のリスクについて	・最初は矯正装置による不快感、痛みなどがありますが、数日間で慣れてきます。 ・歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。 ・装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院など、矯正治療には患者様の協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。 ・1回の口腔内スキャンでのマウスピース矯正治療終了はまれであり、ほとんどのケースで2～3回の再スキャンによるマウスピース再製作・再治療を行い、理想的な歯並びおよび咬み合わせへと導きます。 ・ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。 ・マウスピースを装着したままの飲食はマウスピースの着色や破損、虫歯や歯肉炎、歯周病のリスクが上がります。
クリニックより	患者様の場合、以前から定期的なクリーニングにご通院されているため、担当歯科衛生士や歯科医師が患者様の歯周病や虫歯のリスクを把握しており、健康なお口の状態を維持しながらマウスピース矯正を進めることができます。 また、当院で矯正治療を行うメリットとして、すでに口腔内にある形態不良・不適合な詰め物、左右の歯の幅が異なると対称性のあるきれいな咬み合わせにならないので、被せ物のやり直しも含めた一口腔単位での治療を行うことができ、良好な咬み合わせを作っていくことができます。 このような包括的な治療は、矯正専門歯科医院ではなかなか難しく、当院だからこそご提供が可能だと考えております。