30代男性 「歯並びをきれいにして、銀歯をすべて白くしたい」マウスピース型矯正「インビザラインコンプリヘンシブ」で歯並びを整えた後に白く変色しない「ジルコニア」にやり変え、矯正専門医ではできない包括的歯科医療で口腔全体を改善した症例

2023.07

年齢と性別	30代　男性
ご相談内容	「インビザラインで歯並びをきれいにしたい。その後に、他院で保険で治療した銀歯をすべて白い詰め物や被せ物に変えたい」とご相談いただきました。
カウンセリング・診断結果	拝見すると、上下左右の前歯12本（中切歯／1番、側切歯／2番、犬歯／3番）が前後に重なり合っている「叢生（そうせい）」の状態でした。 また、上左右の前歯（中切歯）の間にある上顎の中心となる縦のライン「正中」が右に傾いていました。 上の奥歯5本（左右第1小臼歯／4番、右第2小臼歯／5番、左右第1大臼歯／6番）と、左下の奥歯2本（第2乳臼歯／E、第2大臼歯／7番）に保険で治療してある銀歯が入っていました。 右下の奥歯（第2小臼歯）は欠損しており、両隣の2本（第1小臼歯、第1大臼歯）を土台とした人工歯を橋渡しにした保険でできた銀の被せ物「ブリッジ」が入っていました。 左上の奥歯（第2小臼歯）は白い被せ物が入っていて神経がなく、根の状態がよくありませんでした。 また、左下の乳歯（第2乳臼歯）も根が短くなっていて、あまり長く使えない状態でした。 そのため、この2本は抜歯が必要と判断しました。
行ったご提案・治療内容	叢生の改善と正中がまっすぐになるよう歯の角度を変え、そこに下顎の正中を合わせると審美的、機能的に良い咬み合せになることをご説明しました。 矯正装置は、患者様のご希望である「インビザラインコンプリヘンシブパッケージ」を使用し、治療を行いました。 矯正後は、歯が元の位置に戻る「後戻り」が起きないようにする装置「リテーナー」を装着していただきました。 インビザラインで歯並びを整えた後、銀歯だった歯を白く変色しない材質「ジルコニア」でやり変えました。 右下の奥歯2本（第1小臼歯、第1大臼歯）は被せ物「ジルコニアクラウン」を、右上の奥歯3本（第1小臼歯、第2小臼歯、第1大臼歯）と左上の歯（第1大臼歯）、左下の奥歯2本（第1大臼歯、第2大臼歯）は詰め物「ジルコニアインレー」を入れました。 また、欠損していた歯（左下乳臼歯）と状態が悪かった上下左の歯2本（第2小臼歯）の抜歯後は、単独でしっかり咬めて、審美的、機能的にも改善する人工歯根である「インプラント治療」をご提案し、ご選択されました。 インプラントの被せ物である「上部構造」も、他の歯と合わせジルコニアで製作しました。
治療期間	3年・29回（チェック回数）
おおよその費用	1,089,000円（再スキャン代、リテーナー代含む）
術後の経過・現在の様子	歯の中心が合って歪みがなくなり、歯並びがきれいに整いました。 また、銀歯がなくなりインプラントも入ったため、見た目が良くなっただけでなくお口全体でしっかりと咬めるようになりました。 患者様からは「歯並びが良くなり、銀歯もすべて白くなったので、口の中がすごくきれいになったことが実感できる」と大変お喜びいただけました。 現在、しっかりとリテーナーを装着しているため後戻りはありません。歯並びとインプラントの状態を確認するため、定期的なクリーニングにご通院いただいています。
治療のリスクについて	・最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間で慣れてきます。 ・歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。 ・装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。 ・1回の口腔内スキャンでのマウスピース矯正治療終了はまれであり、ほとんどのケースで2～3回の再スキャンによるマウスピース再製作・再治療を行い、理想的な歯列及び咬合へと導きます。 ・ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。 ・マウスピースを装着したままの飲食はマウスピースの着色や破損、虫歯や歯肉炎、歯周病のリスクが上がります。
クリニックより	定期的にクリーニングでご通院されているので、担当衛生士や歯科医師が患者様の歯周病や虫歯のリスクを把握しており、健康な口腔内の状態を維持しながらマウスピース矯正を進めることができます。 また、当院で矯正治療を行うメリットとして、すでに口腔内にある形態不良・不適合な詰め物、左右の歯の幅が異なると対称性のあるきれいな咬み合わせにならないので、被せ物のやり直しを含めた一口腔単位での治療を行うことができ、良好な咬み合わせを作っていくことができます。 このような包括的な治療は、矯正専門歯科医院ではなかなか難しく、当院だからこそご提供が可能だと考えております。