50代男性「前歯の咬み合わせが逆になっているのが気になる」マウスピース矯正治療を行なった症例
2022.03
治療前
治療後
年齢と性別 | 50代 男性 |
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ご相談内容 | 「左上下前歯の咬み合わせが反対の状態を治したい」とのご相談を受けました。 |
カウンセリング・診断結果 | 診察したところ、臼歯部の咬み合わせは右側はClassⅢ、左側はClassⅠであり、左上下顎前歯部の反対咬合(咬み合わせたときに、下の前歯が上の前歯よりも前に出ている状態)が認められました。 また、下顎前歯の叢生(⻭がでこぼこに生えている状態)と歯列の狭窄(狭い状態)が見られました。 |
行ったご提案・治療内容 | 左上下顎前歯部の咬合改善を主な目的とし、マウスピース矯正をご提案しました。ただ、下顎隆起が大きいためマウスピース製作の印象採得が精密にできるかが懸念事項であることを事前にご説明しました。 上顎両側及び左下の親知らずの抜歯と、部分的にディスキング(スペースを作る目的のために歯を一層削ること)を行うことで、歯の動くスペースを作り、叢生部や左上下前歯の反対咬合の改善を目指しました。 特に左上下前歯の反対咬合を改善するため、顎間ゴムでの矯正力を加えながらも、数度のマウスピース再製作を行い理想的な歯列へと導きました。 |
治療期間 | 約4年半 50回(矯正治療中のチェック回数) |
おおよその費用 | 約875,000円(税別) |
術後の経過・現在の様子 | 患者様の主訴であった左上下顎前歯部の反対咬合は改善され、審美的・機能的に調和のとれた歯列へと変わりました。 現在はリテーナーを装着していただき、後戻りもなく、定期的にクリーニングに通院されています。 |
治療のリスクについて | ・最初は矯正装置による不快感、痛み等がありますが、数日間で慣れてきます。 ・歯の動き方には個人差があります。そのため、治療開始時に予想した治療期間を延長する可能性があります。 ・装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者様のご協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。 ・口腔内スキャン1回でのマウスピース矯正治療終了はまれです。ほとんどのケースで2~3回の再スキャンによるマウスピース再製作・再治療を行い、理想的な歯列及び咬合へと導きます。 ・ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。 ・マウスピースを装着したままの飲食はマウスピースの着色や破損、う蝕(虫歯)や歯肉炎、歯周病のリスクが上がるため、注意が必要です。 |
クリニックより | 今回の患者様は、定期的にクリーニングで通院中だったため、担当衛生士や歯科医師が患者様の歯周病やう蝕のリスクを把握しており、健康な口腔内の状態を維持しながらマウスピース矯正を進めることができました。 通常の矯正治療では大臼歯から移動させていきますが、今回のケースは歯根破折(割れたり、折れたり、ひび割れたりすること)により、右下第一大臼歯が抜歯適応でした。 そのため、今回のように臼歯部に欠損がある場合、臼歯の理想的な咬合関係が確認できた段階でインプラントの埋入を行います。 その後、前歯部の移動が終わってからインプラント上部の被せ物(上部構造)の治療を行い装着することで、時間的にも無駄のない治療ができます。 このように、当院では矯正治療だけでなく、抜歯やインプラントといった外科手術も行えるため、一口腔単位での包括的な歯科医療の提供が可能です。 |
治療前詳細
治療後詳細