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院長インタビュー

東京メトロ溜池山王駅7番出口直結。山王パークタワーの25階に「古市歯科医院」はある。数多くのビジネスパーソンの口腔内の健康を支えてきた、予防歯科医療に特化したクリニックとして知られ、在籍する歯科衛生士は高い技術と知識を持つ。院内は明るく広く、スタッフの応対もアットホームな雰囲気なので、初診はもちろん、ビジネスパーソン以外でも通いやすい。

ビジネスパーソンの健康を支える、予防歯科医療を中心に展開するクリニック

開院はいつ頃ですか?

2001年の2月です。来年でオープン15周年を迎えます。溜池山王はビジネス街。このビルもオフィスビルですから、当院には多くのビジネスパーソンが訪れています。そういった日々の仕事を忙しくこなす人々に向けて、何が本当の患者利益となるのかを探求しながら、これまで診療に取り組んできました。振り返って感じるのは、積み重ねの成果でしょうか。

来院する患者様はどのような傾向がありますか?

医院の特色を教えてください。

ずばり、当院は予防歯科医療を行うクリニックです。そのため、歯科衛生士の技術を非常に重要視しています。5台のユニットのうち4台はクリーニングされるクライヤントが占めており、治療は基本的に1台です。一般的に衛生士は歯科医師の脇役といったイメージもあるのかもしれませんが、当院の衛生士一人ひとりが高い技術を習得したいわば“主役”なんです。各自が責任と志を持ち、口腔衛生管理にあたっています。私としても、治療する歯科医師というよりも、患者様の将来の健康を設計するための提案をするプロデューサーというスタンスでいます。衛生士が1人前になるまでに4〜5年の研修期間を設けています。というのも、学校を出たての衛生士さんははっきり言って何もできません。

ですから、診療に即した規格性のあるレントゲンインディケートや口腔内写真の撮り方、カリエスリスクテスト結果の的確な診断と説明、そして患者様に対するマナーやプレゼンテーション能力等々……、診療の基礎から治療介入時期の判断、コミュニケーション能力に至るまでの研修を実施。衛生士が働きながら、存分に技術と人間性を高めていける環境を整えています。当院を一言で言えば、健康にフォーカスをあてたクリニックですね。歯科は、予防のためのリスク管理さえ幼少期から行えば治療などほとんど必要ないからです。

口腔内、体の健康を実現するために、展開すべきこととは

予防歯科に特化したのはなぜですか?

20年前に予防歯科医療の世界的パイオニア・熊谷崇先生のお話を伺う機会があり、歯科医療のあるべき姿が明確に投影できたのがきっかけです。勤務医をしていた20代後半の頃でした。それまで私が学んできたのは削ったり詰めたりの技術。すでにある疾患に対する対処法で、ずっと従来の歯科医療に対して疑問を抱き続けていましたが、エビデンスに基づく熊谷先生のお話を聞いたことにより真の患者利益になる医療を提供しようと心に決めました。

一般の方々は、国の歯科医療制度が予防に立脚した制度でないため、長期的にみると健康を害する処置を歯科治療と思い込まされています。本当に気の毒です。ですから「治療」という言葉自体に安心してしまう患者様にそうではないことを理解して頂き行動変容を促すのが我々の使命であります。本当に大切なことは治療することではない、治療の必要がない口腔内をつくることであります。その様な意識は、制度そのものの問題点を共有し理解の上で、社会政策としてのパラダイムシフトすべき課題だと私は考えています。

疾患の予防に重要なことをお聞かせください。

難しく考えがちですが、要は炎症(細菌)と力のリスク制御です。口腔内の炎症につながる虫歯・歯周病菌が宿主の免疫反応が起こらない程度にコントロールされ、バランスのとれた噛み合わせさえ構築できれば多くの口腔内疾患のリスクを安定させることができます。そのために、定期的なクリーニングが必要なのです。ただ、患者様によって口腔内の状況は千差万別。

そして、年齢や生活サイクルによっても疾患リスクは変わります。ですから、一人ひとりに適した予防計画の立案がとても重要です。そして、ここが難しいところですが、予防というものはクリニックで完結するものではありません。正しいホームケアをして頂く情報提供、予防歯科に通っていても疾患へのリスクは絶えずつきまといます。

当院では、日々変化する全身の健康状態や、患者様のDMFT指標、歯周病進行度(OHIS)、カリエスリスク、唾液の緩衝能、プラークスコア、メンテナンス頻度などをデータで示し、日々の患者様のモチベーションにもつなげられる取り組みも行っています。

歯科医師として今、発信したい話題はありますか?

やはり、口腔内の健康と予防するという意識ですね。予防が特別重要な時期というのは、もっとも虫歯に罹患しやすい幼児期から成人までです。そして、この時期に適切なデンタルケア習慣を身に付け、適切なクリーニングを受けることは、目先の虫歯だけではなく生涯にわたる健康に直結します。

熊谷先生のご実績を紹介すれば、医院に通うお子さんの約9割以上は虫歯がなく成人を迎え、高齢者でも、80歳の残存歯率の全国平均が11本に対して20本以上の患者様がたくさんいます。これを聞けば、如何に予防歯科が健康に貢献できるものかが伺い知れると思います。ただ、本来あるべき予防歯科医療の概念が、マスコミを通じて正しく情報提供されることはほとんどありません。そこで、社会、メディアともにそれらの重要性を積極的に発信して頂きたいというのが本音です。

一例として挙げますが、例えば高齢者の重篤な疾患として知られている肺炎。テレビCMでは肺炎球菌の予防のため肺炎球菌のワクチン接種を呼びかけています。しかし、適切な呼びかけとしては「口腔内の細菌が、原因で肺炎を引き起こします」予防のために、歯科医院で定期的なクリーニングを受けてリスクを軽減しましょう。という情報が正しい情報発信であると私は思うのです。

皆さんはそう思いませんか?あまりに、歯科医療が粗末に扱われています。ですから、まず枠を超えた予防医療の一大インフラを築くことが不可欠です。 

病気を遠ざけ、「治療しないため」に通うのがクリニックである

歯科医師をめざしたきっかけを教えてください。

歯科大学に進学したプロセスは長くなるのでお話ししませんが、医師と歯科医師どちらにしようか迷いました。最終的に歯科医を選んだのは、オーナーになれることが大きな要因だったと思います。医者も開業という選択肢はありますが、患者利益が提供できる医療を展開しようとすれば、かなりの設備投資も必要でしょうし、そうなると勤務医という選択肢にならざるを得ないと思っていました。医科ほど設備投資がかからない歯科であれば自分の志を明確に持ち続けることができると考えていました。

私は、小さい頃から考え方がリベラルであったせいか、巨人ではなく阪神のファンでしたし、大きな企業に勤めて尊敬できない上司に自分の魂を売るような生き方はしたくないと思っていました。要するに世の中が分かっていなかったのですね。(笑)しかし今でも思っていることは理不尽な制度やより良い社会システムのためのイノベーションは必要であるということです。

私の母校である慶応義塾を創った福澤先生は、塾生を前に「自我作古」(われよりいにしえをなす)と詠み、前人未踏の新しい分野に挑戦し、たとえ困難や試練が待ち受けていても、そしてそれが未だ社会に受け入れられず少数派であったとしてもそれに耐え開拓にあたるという信条を遺されています。私も自分が従事する歯科医療界で人の健康に役立つチャレンジをいろいろとしていきたいという志を抱いて今後も日々研鑽を積んでいきたと思っています。

休日はどのようなリフレッシュをしていますか?

子どもたちの成長を見守っているときが、一番のリフレッシュです。上は18歳、真ん中が15才、下は8歳の2男1女の父です。上の2人は手が掛からなくなり今は末っ子のスポーツサポートをしています。私がもともと野球好きなことから長男は野球をしています。

次男もそれをみているので野球を始めたいと言いはじめているところです。時間があればキャッチボールやノックなどを公園で始めています。一生懸命何かに取り組む子どもたちを見て私も熱中しています(笑)。

最後に、「ドクターズ・ファイル」の読者にメッセージをお願いします。

現在全国に7万弱の歯科医院が存在します。酒田の熊谷先生の診療所には、市内人口10万人の20%の患者様が来院し予防のメンテナンスを行っており地域の公益性を担保しています。つまり熊谷先生の診療所のクオリティーを実現できないにしても、その50%程度のクオリティーが確保できれば、1億2000万人に対し12000か所のヘルスケア型のメンテナンスセンターを配置すれば十分に国民の健康は守れるはずです。(矯正や外科などの海外でいう専門医は別として)しかし、現実にはすでに10万人もの歯科医を行政は世に送り出してしまいました。

その不必要な80000人の歯科医が生活をするためにガリガリ削ってください。というのが今の保険制度です。はっきりとお伝えしたいことは、その様な歯科医療の犠牲にならないよう健康を持続させるための正しい知識を手に入れてほしいのです。そして、何よりもその予防のためのクリニックがあることを知って頂き、「治療しないために」通う場所として活用していただければと思います。

しかし、残念ながら9割の歯科医院が治療を中心とした医療を行わざるを得ない状況です。当院は、患者様の健康の未来をサポートするクリニックとして、これからもまい進していきます。何か心配事がある方は、お気軽にご相談ください。

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